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自己破産手続きは弁護士に依頼すべき?メリットとデメリットを徹底解説

弁護士 芳林 貴裕

弁護士 芳林 貴裕

奈良弁護士会

この記事の執筆者:弁護士 芳林 貴裕

奈良県出身。東大寺学園高校卒。京都大学法学部、同法科大学院を修了し、栃木県内の法律事務所にて企業法務案件等に携わった後、地元・奈良に戻る。事業承継や事業再生、廃業支援などの実務に幅広く従事している。

借金問題に苦しみ、自己破産を検討している方の中には、「弁護士に依頼すると費用がかかるから、自分で手続きを進められないか?」と考えている方も少なくないでしょう。しかし、自己破産の手続きは非常に複雑で、専門的な知識が不可欠です。

このコラムでは、自己破産手続きを弁護士に依頼することのメリットとデメリットについて、弁護士の視点から詳しく解説します。弁護士に依頼すべきかどうか迷っている方は、ぜひ判断材料としてご活用ください。

1. 弁護士に依頼するメリット

結論から言うと、自己破産手続きは弁護士に依頼するメリットが圧倒的に大きいです。費用以上の価値があると言っても過言ではありません。

メリット① 債権者からの督促が即座に止まる

 これが、弁護士に依頼する最大のメリットと言えるかもしれません。弁護士が依頼を受けると、すぐに各債権者に対して「受任通知」を送付します。この通知が届くと、通常、債権者から本人に直接連絡や取り立てすることがなくなります。

借金問題に追われる日々の中で、精神的なプレッシャーは計り知れません。督促が止まることで、心が落ち着き、手続きに集中できる環境が整います。

メリット② 複雑な手続きを任せられる

自己破産の手続きは、多岐にわたる書類の準備や、裁判所との複雑なやり取りが必要です。

  • 必要書類の収集:住民票、給与明細、預金通帳のコピー、源泉徴収票など、多くの書類を準備しなければなりません。
  • 申立書の作成:借金の原因や財産の状況、家計の収支など、詳細な情報を記載した申立書を作成します。
  • 裁判所とのやり取り:裁判所からの照会などに対応する必要があります。

これらの手続きを全て一人でこなすのは、非常に困難です。弁護士に依頼すれば、これらの手続きを全て代行してもらえるため、時間と労力を大幅に節約できます。

メリット③ 免責不許可事由があっても裁量免責を得られる可能性がある

浪費やギャンブル、詐欺行為などが借金の原因である場合、「免責不許可事由」に該当し、原則として自己破産が認められません。

しかし、弁護士は、過去の判例や裁判所の傾向を踏まえ、反省の姿勢を示すための具体的な助言や、手続き中の財産管理のアドバイスなどを通じて、裁判所の裁量免責を得られるよう最善を尽くします。

メリット④ 家族や会社にバレるリスクを軽減できる

弁護士に依頼することで、裁判所や債権者からの連絡は全て弁護士事務所宛てになります。これにより、自宅に届く郵送物が減り、家族に手続きの事実を知られるリスクを軽減できます。

2. 弁護士に依頼するデメリット

弁護士に依頼することのデメリットは、主に「費用がかかる」という点に集約されます。

デメリット① 弁護士費用がかかる

弁護士に依頼すると、弁護士費用が別途発生します。当事務所の場合は、個人破産する際は、着手金33万円〜です。

もっとも、弁護士費用の支払方法については、当事務所においては、破産に至る経緯等をお聞きした上で柔軟に対応することができる場合がありますので、まずは、ご事情をお聞かせください。

まとめ:デメリットを上回るメリット

自己破産の手続きは、専門家である弁護士に依頼することで、精神的・時間的な負担を大幅に軽減し、よりスムーズかつ確実に手続きを進めることができます。

弁護士費用というデメリットはありますが、督促が止まることによる精神的な安定、複雑な手続きからの解放、そして何よりも、確実に借金をゼロにして人生を再スタートさせるという最大のメリットを考えれば、費用以上の価値があると言えるでしょう。

借金問題に苦しんでいる方は、一人で悩まずに、まずは弁護士にご相談ください。当事務所では、あなたの状況に合わせた最適な解決策をご提案いたします。

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